豆知識
~~嬬恋村の食文化「くろこ」とは~~
ジャガイモからでんぷんを取った絞りかすを再利用 絞りかすを凍結、発酵させることにより食材に加工し 保存食品にこれが「くろこ」 くろこ料理は、全国的にも数少ない珍しい食文化である 嬬恋村特産の「ジャガイモ」から独自の調理法で作る 郷土料理くろこは、3R{リデュ-ス(Reduce)・リユース(Reuse)・リサイクル(Recycle)}食材
つまごいくろこは大きくみて4つのセールスポイントがあります。 1つ目は全国でも稀な郷土食ということ。 原材料・製造方法・食べ方は村独特で、擂りおろし器は嬬恋村で発明・開発されました。 2つ目は、『環境にやさしい食材』ということ くろこは自然乾燥で仕上げ、保存するのにも常温のため、一切エネルギーを使いません。
セールスポイントの3つ目は、『美容と健康に良い食品』ということ。 排便および整腸作用が大きいので大腸がんの予防効果があります。また、コレステロールや血圧の 上昇抑制効果が期待できるとの説もあります。
セールスポイント4つ目は、『原材料が無料で無尽蔵』ということ。 くろこに使う芋は規格外(廃棄物)で良いので、産地の嬬恋村では無料で無尽蔵産業で 原材料費が無料なのは大きなメリットとなっています。
セールスポイント5つ目は、『有害獣の抑制効果が大きい』ことです。 原料のジャガイモは廃棄物なので、現状は畑に放置しているためイノシシやサル等の 餌になり、異常繁殖の原因の一つになっています。くろこが産業として定着し、放置がなくなれば 有害獣の抑制効果は測り知れません。 最後は『体験の素材として幅広い』こと。 くろこはジャガイモの植え付け・花見・収穫・すりおろし・でんぷんの採取・くろこの精製と 年間を通して体験することができます。
摺り下ろしたイモの繊維を網に入れて水の中で攪拌するとデンプンが水の中に分離する。この時重い順に沈む。砂や泥が最初に沈み製品になるデンプンの上には網をすり抜けた細かい繊維とデンプンが混ざった層が出来る。これを「一番くろこ」と言う。この「一番くろこ」が嬬恋村の郷土料理「そばせんべい」の材料になり一時期主食の一翼を担い先人の空腹を満たした。 そばせんべいとは? そば粉と「一番くろこ」を同量の水で溶きクレープ状にして焼いたものに、イクサと味噌と砂糖と少量の水を混ぜペースト状に味付けをしたものを塗って食べる、シンプルでヘルシーな嬬恋村の郷土食。今は「一番くろこ」が少ないので市販のカタクリ粉で代用している。
昔浅間山の中腹に浅間明神が祀られていた。明神は、山麓の村里の様子をさぐろうと、巡回されたことがあった。明神は、人々の働く様や作物のできをご覧になって、心地よく村々を眺め乍ら通っていたが、不としたはずみに、畑に積まれた里芋のからに足を踏みすべらせらせて危うく倒れかかった。丁度そこに胡麻がらが置いてあったので、運悪くそれで目をついてしまわれた。そのために大変悩まれて、お困りになった。それ以後嬬恋村では里芋や胡麻を作らなくなった。代わりに「いくさ」を栽培している。 今でもそれは守られている。若し作ると、明神の怒りにふれて、病気になると言われている。 ※近隣の草津町や六合村にもこれと似た話が伝わっているがここでは白根明神になっている ※このような話は他の地域でも数多くある。昔お上が胡麻より栄養があり 育てやすいイクサを推奨したのではないかとも言われている