鎌原用水

鎌原村は、信州街道の宿場であった。鎌原用水は鎌原宿の中央を貫流し、下の田畑まで流れている。 この用水の水源は、鬼押出し溶岩の末端部の湧水であり、水源地から鎌原宿まで約8kmの用水路が引かれている。 以前は道路の中央を通っていたが、昭和33年に設備が整った水道となり、現在は道路の脇を流れている。 鎌原は井戸による地下水搾取が困難だったため、用水は重要なものであった。1783(天明3)年の噴火災害における 鎌原集落の復興では、この用水の通る道に面して、東西に十間ずつ短冊状に平等に地割がなされ復興された。 当ジオパークエリアに湧水は多いが、鎌原用水は特に浅間山の火山活動による人の暮らしに大きな影響を与えてきた貴重な史跡の1つである。