嬬恋農場

ばれいしょ生産の安定性向上のために必要なばれいしょ原原種の生産・配布を目的として 1947(昭和22)年に「農林省嬬恋馬鈴薯原原種農場」が設立され、1986(昭和61)年に 「農林水産省種苗管理センター嬬恋農場」、2001(平成13)年に「独立行政法人種苗管理センター嬬恋農場」、 2016(平成28)年からは「国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構種苗管理センター嬬恋農場」となり、現在に至る。 ばれいしょは、気象条件や地味などの諸条件に対して適応性が高く、食用や加工食品としてもその用途は広いことから 重要な畑作物とされているが、塊茎を用いて増殖しているため、増殖率は低く、一端病気に罹るとそれが伝搬する という性質がある。このため、我が国ではウイルスフリーの種いもを効率的に増殖し流通できるシステムが取られており、 その源流とされるものが原原種であり、毎年採種道県に供給されている。嬬恋農場は、種いも生産の適地である浅間山の北麓、 標高1230メートル前後に拉置する田代の地に設立された。最低気温がマイナス15~20度となり、人里を離れた地での 設立当初の作業は困難を極めたが、関係者の並々ならぬ努力によって、この施設は発展を遂げ、西日本を中心とする 全国各地にばれいしょの原原種を供給するなど大きな役割を果たしている。