烏帽子火山群

烏帽子火山群は、長野・群馬両県の県境付近を東西約22kmにわたって火山列を形成する 烏帽子・浅間火山群の西部を占める。約100万年前から8万年前頃まで活動を続けていた古い火山群で、 烏帽子岳(2,066m)、角間山(1,981m)、鍋蓋山(1,829m)、三方ヶ峰(2,041m)、高峰山(2,106m)、 水ノ塔山(2,202m)の小型~大型の成層火山と、湯ノ丸山(2,101m)、村上山(1,747m)、桟敷山(1,931m)、 小桟敷山(1,852m)、東篭ノ登(2,228m)、西篭ノ登(2,212m)などの溶岩ドーム群から構成される。 古い時代の火山群であるが、西から東へと活動の中心を移動しながら火山体を形成し山脈を成した過程が明らかとなっており、 溶岩流を繰り返してできた成層火山や粘性の高い溶岩により形成された溶岩ドームなど、 多様な火山活動の様式と一連の火山体の形成過程をストーリーをもって知ることができる点は火山学的に重要である。 また、日本の水系を二分する中央分水嶺の一部を構成しており、地理学や地形学的にも貴重である。 さらに、比較的容易に登山することができ、その過程では多様な植物を観察することができるため、 植物の観察や学習、ツーリズムへの活用など、様々な分野で有効に活用することができるサイトである。 なお、このサイトからは、日本百名山のうち、44もの山を見ることができる。