浅間山溶岩樹型

「浅間山溶岩樹型」は、1783(天明3)年の噴火による吾妻火砕流が森林地帯に流れ込み、冷え固まったあとで、 1952(昭和27)年に国の特別天然記念物に指定された。群馬県内の特別天然記念物の指定は、3件だけで(他2件は尾瀬、カモシカ) あり、地質・鉱物の特別天然記念物としては全国的にも貴重である(関東地方で2件、全国で20件のみ)。 溶岩樹型は、通常、粘り気の少ない玄武岩質の溶岩が森林を覆う際にできる場合がある。しかし、浅間火山の噴出物は安山岩質であり、 かつ火砕流が森林地帯に流入してできた樹型が残ることは極めて珍しい現象とされている。 雑木林にいくつもの古井戸のような溶岩樹型が散在し、見た目に珍しいだけでなく、浅間山の火山活動との因果が明確で、安山岩質の 溶岩樹型として学術研究にも重要な資源となっている。