トーミの頭

浅間山の中で最初に形成された黒斑山が山体崩壊してできた凹地を「湯の平」と 呼ぶ。砂礫地にカラマツの幼樹が疎らに生えた平地で、四方の眺めが開けており、こ の付近に黒斑山の火口があったと考えられている。「湯の平」では黒斑山の火山活動 による堆積物がよく観察でき、黒斑山生長の過程を知ることができるとともに、東側の前掛山、西南西の剣ヶ峰、 南の牙山の絶景に囲まれて南北に走る登山道では南と北で様相の異なる植生を歩きながら観察することができる貴重な場所である。 また、この地には日本で最初の火山観測所があった。現在は噴火に伴う山火事で 焼失し見学することはできないが、国内の火山防災の先駆けとして子供たち や来訪者に、その役割を伝えていくことは極めて重要な意味を持つものである。